本当にあった住宅ローンの怖い話 その2

元銀行員のつぶやき

本当にあった住宅ローンの怖い話、第二弾です。

 

今回ご紹介するのは、

~連帯保証人の妻と離婚…元妻から連帯保証人を外すよう要請された男性A~

です。

 

住宅ローンでは、配偶者の方に連帯保証人になっていただくことがあります。

例えば、債務者となるご主人の所得だけでは、住宅ローンの借入希望金額に届かない時。こういう時に、共働きで奥様も所得がある場合、その奥様に連帯保証人になってもらいます。そうすることで、二人の所得を合算して銀行は審査できるので、融資可能額を増やすことが可能になります。

 

今回は、そんな連帯保証人となってくれた妻と離婚し、

「私はもうこの家に住まないんだから、住宅ローンの連帯保証人を外しなさいよ」と言われてしまった男性のお話です。

 

結論から言うと、私は『元奥様を連帯保証人から外すことはできません』とこの男性にお伝えすることになりました。

 

確かに、元奥様のお気持ちも分かります。

離婚の原因までは把握してませんが、もう自分が住むことが無い家の借金の連帯保証人なんて、さっさと外して欲しいですよね。

 

ですが、ご主人だけでは所得が足りないから、奥様に連帯保証人になってもらっています。

要は、銀行は、奥様が連帯保証人になってくれたから、当時住宅ローンを貸したわけです。

離婚したからと言って、「それは仕方ないですね。連帯保証人からすぐ外しますね」とは言えません。

 

男性Aから相談を受けたあとの流れを下記に記載します。

  1. 男性Aから直近の源泉徴収票の提出を受ける&現在の不動産価値を評価する。
  2. 銀行の支店内で上司に相談、「いや、特に男性Aの年収が増えているわけでもないし、難しいだろう」と言われる。
  3. この時点で、男性Aに一旦連絡。「やるだけやってみますが、難しいかもしれません」と伝える。
  4. 本部に申請する前に、事前に根回しとして本部審査担当者に電話。「いや、無理無理。支店で断っておいてよ」と言われるも、これまで一度も延滞が無いことや、少なからず預金取引もあることを理由に、審査して欲しいと頼む込む。
  5. 本部で審査。やはり、元奥様を連帯保証人として外すことは出来ないとの結論。
  6. ただし、年収〇〇以上の別の連帯保証人が追加される、または、●●万円以上の一部繰上返済が実施されるのであれば外しても可、となる。

 

この審査結果を男性Aにお伝えするのは辛かったです。

予想はしていましたが、代わりに連帯保証人になってくれる家族なんていない、一部繰上返済なんてできない、じゃあどうすればいいんだ、と何度もお叱りを受けました。

ですが、銀行としても、結論が出た以上は引けません。

こちらの提示した条件が難しいのであれば、連帯保証人は外せないと、繰り返しお伝えすることしかできませんでした。

 

実は、当時は銀行員としてそこまで経験がなく、この「お客さまからの申し出を断る」というのにまだ慣れていない頃でした。

もちろん、隣に上司が座ってくれた状態で面談していましたが、担当者は私です。男性Aは、私に対して怒っています。

それが、当時、結構堪えました。なかなか切り替えられなかったのを今でも覚えています…。

(余談ですが、年々、断るのに慣れてくるというか、抗体ができてくるというか、切り替えは早くなっていきましたw)

   

ちなみに、この男性A、後日、改めてご連絡をくれました。

  • あの時はカッとなって悪かった、離婚直後で色々と余裕が無かった
  • 連帯保証人から外せないことは元奥様にも伝えた
  • 銀行にも元奥様にも迷惑をかけないよう、これからもきちんと返済していく
  • 今後、返済がある程度進んだタイミングで、改めて、連帯保証人の脱退については相談させて欲しい

とのことでした。

 

この連絡を受けたとき、ホッとしたのを覚えています。

…おしまい(^^)/

 

 

 

 

皆さんはこの話、どう思うでしょうか?

銀行は冷たいところだ、と感じる方もいらっしゃるかもしれません。

ですが、住宅ローンの契約書の連帯保証人欄に署名するということは、その住宅ローンを完済するまで、連帯保証人としての責任を負うということになります。

そして、離婚してもその責任は変わりません。

まぁ、契約するときは、離婚なんて想像もしていないと思うので、「私は仮にこの人と離婚しても、これから35年間は連帯保証人であり続けるのね」なんて覚悟できる方もいないでしょうが…

 

以上、住宅ローンにまつわる怖い話でした。では、また。

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