【元銀行員の失敗談】粉飾決算先に融資した話…涙

元銀行員のつぶやき

久しぶりに投稿します(^^)/

忙しいのを言い訳に半年以上も空けてしまった。。。一度サボるとだめですね(笑)

数年前から更新されていないブログをたまに見かけますが、今ならその方の気持ちがよく分かります。

 

さて、本題ですが、今回は私の銀行員時代の失敗談を書きたいと思います。

それは、

「粉飾決算先に融資し、不良債権を作ってしまった話」です。

 

当時私は、新規取引先を開拓すべく営業活動をしておりました。

その中で、運よく既存の取引先から紹介してもらえた会社がありました。それがA社です。

 

A社は5期連続増収しており、その業種柄(業種は一応伏せておきます)、資金需要も旺盛な先でした。

A社としても資金調達先の増加は歓迎でしたので、初回面談時に早速決算書を頂戴し、融資提案を行うことになりました。

 

この時点で、少し、いやかなり気になっていたのが、『現預金が異常に多い』という点でした。

 

もちろん、現預金はあって困ることはありません。現預金さえあれば、極論倒産もしませんからね。

 

ただ、A社の事業規模からすると、、、流石に多過ぎないか、ということになり、この点を解消することが必要となりました。

 

具体的には、各金融機関が発行する「残高証明書」あるいは「他行通帳のコピー」を貰えないか交渉しました。しかし、それは叶わず。『メインの銀行さんにも出していないのに、まだ取引もしていない銀行さんには出せないよ』、と一蹴されてしまいします。

諦めず、コピーは無理でも、せめて目視で確認させてもらえないか、と頼み込んでみましたが、結果は変わらず。。。

 

それを踏まえ、支店で再度協議です。

結論としては、当初予定していた金額よりも少ない金額で提案することになりました。

 

提案時、A社の反応はあまり良くありませんでした。「金額少ないね~」という反応です。ただ、初回取引であることも考慮してもらって、まずは信頼関係を築く第一歩として、という形で初回融資を実行しました。

 

初回融資は短期だったのですが、約半年後、期日どおりに返済をしてもらうことができました。

しかも、初回融資を皮切りに色々と交渉した成果として、仕向・被仕向取引も取り込めていたので、支店内でのA社の評価はそれなりに高くなっていました。

 

そうなってくると、次の融資を急がなければなりません。

このままだと、融資取引先数が「前期比▲1」となってしまうからです。

 

もちろん、もともと気にしていた『現預金が異常に多い』問題は解決していません。他行の口座に、本当にこれだけの預金が置いてあるのか?という疑問は、未だ不明なままです。

 

ですが、既に返済実績のあるA社に対して、最初の融資の時ほど警戒感は持っておらず、結局は残高証明書も他行通帳のコピーも確認できないまま、金額を増やしたうえで二回目の融資を行いました。

 

 

そしてある日、、、、、突然1枚のFAXが届きました。

恐怖の受任通知(※)です。

※ざっくり言うと、A社から委任を受けた弁護士から、「A社はこれから破産申請を行う準備をするから、A社に要件がある場合はうち(弁護士)に言って来てね、A社に直接話すのはダメよ」という内容が書かれた紙です

 

そのFAXを見たときのことは忘れません。

本当に頭が真っ白になりました。

でも、「なんでA社がいきなり破産するんだ!?」とは思いませんでした。

「あぁ、、、やっぱり嘘だったのか、、、、」というの気持ちでした。。。

 

その後の債権者集会で、現預金の水増しを行っていたことが説明され、決算の粉飾を行っていたことが確定しました。

 

まだ銀行員としては駆け出しの頃でしたが、これは堪えました。

銀行である以上、回収できない不良債権があることは理解していましたが、自分がそれを作ってしまうとは…とかなり反省しました。

 

 

そして私も、晴れて、徹底的に疑う銀行員となりました(笑)

  

 

融資は回収してナンボなので、少しでも気になった点があれば、それが解決するまでは貸さない方が良い、という話でした。

 

長年の取引先であれば、多少のことには目を瞑ってでも貸すしかない、という状況になることもあると思いますが、

新規先は、とにかく徹底的に疑って、石橋を叩いて叩いて渡りましょう(^^)/

※そんなことしてたら、新規融資先なんて増やせねーよ、という声も聞こえてきそうですが(笑)

 

まとまりの無い話ですが、本日はこの辺で。

では、また!

コメント

タイトルとURLをコピーしました